鏡の向こうで見つけた、自分の居場所『かがみの孤城』レビュー

鏡の向こうで見つけた、自分の居場所『かがみの孤城』レビュー

<評価>

総合評価:★★★★☆

→感動あり、考えさせられる場面も多い一冊!

→ 難しい言葉は少なく、スラスラ読めるけどボリューム感あり。

→ ミステリアスな展開と意外性のあるラストが最高!

登場人物の魅力:★★★★☆

→ みんな個性的で、気づけばどのキャラもぞれぞれを応援したくなる。

考えさせられる度:★★★★★

→ 自分の過去や人間関係について、色々考えちゃう作品。


<レビュー>

鏡の中の城へようこそ!

2018年に本屋大賞を受賞し、さらにダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR2017(小説部門)でも1位に輝いた『かがみの孤城』。このタイトル、ただのファンタジー小説だと思ったら大間違い!

物語は、学校に行けなくなった主人公が、突然「鏡の中の城」に招かれるところから始まります。そこに集まるのは、同じように現実で傷つき、孤立した7人の中学生たち。ファンタジーの世界観に隠された謎と、それぞれのキャラクターの物語が絡み合い、読み応え抜群の作品です。

孤城の不思議な魅力

鏡を通じて行ける「孤城」は、現実の世界から切り離された不思議な場所。そこには現実ではあり得ないルールが存在し、誰にも邪魔されず、自分と向き合う時間が与えられます。

孤城に漂う独特の雰囲気や、どこか懐かしくも新しい世界観が、読者を引き込みます。ただのファンタジー空間ではなく、現実に根ざした要素が織り込まれているため、夢中で読み進められます。

キャラクターたちが教えてくれること

孤城に集まる7人の中学生たちは、いじめ、家庭問題、自己否定感など、それぞれ異なる悩みを抱えています。一見するとバラバラなようで、彼らの中にはどこかしら共通点があるのがポイント。

個性的なキャラクターたちの会話や行動を通じて、読者は自分自身や周囲の人々の姿を思い浮かべることができるはず。「自分もこんなふうに感じたことがあるかも」と共感する瞬間が、作品をより深く心に刻みます。

謎解きと感動のクライマックス

物語全体に張り巡らされた伏線が、後半で一気に回収される瞬間は圧巻です。鏡の中の城が持つ秘密や、そこで紡がれる友情が最後に明らかになるシーンは、涙なしでは読めません。

特に、ストーリーが進むにつれて「孤城」の本当の意味が浮かび上がる過程が秀逸。「自分が何者なのか」「どこに居場所があるのか」といった問いが、この作品の核心に迫ります。

この本が教えてくれる「勇気」

『かがみの孤城』は、ただの物語ではありません。読み終わった後、「孤独や不安を抱えていた過去の自分」に優しく寄り添ってくれる本です。この作品を通じて、「一人じゃない」「自分の居場所はどこかにある」と感じられる人も多いはず。

鏡の向こうに広がる不思議な世界と、そこに隠された秘密。これを解き明かしたとき、きっと心に大きな感動が残るでしょう。まだ読んでいないなら、ぜひこの物語の旅に出かけてみてくださいね!

かがみの孤城 (一般書 113) [ 辻村 深月 ]

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感想(54件)

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